この文章は電車で書いているが、目の前に座っているおじさまがとても良い。髪の毛をガチガチに固めてサイズがぴったりのシャツを着たダンディーなおじさまが、スマホを見ながらめちゃくちゃ笑っているのがめちゃくちゃ良い。気になって仕方ない。何を見てい…
「なんとなく死にたくなる」という感覚は、6月や梅雨時期にギラギラしている人以外誰もが経験しているものだと思う。「からあげ食べたいかも!コンビニに寄ろっかなー」くらいの感覚で「ちょっと死んでみようかな」って気持ちを抱くということが描かれた漫画…
自分の人生にストーリーを見出せる人 幸せを不特定多数に撒き散らしても平気でいられる人 大切な人との大切な瞬間を、ずっと野ざらしで保存しておく人 6月にギラギラしている人 自分の成功体験を金に替える人 なるったけ他人に依存できる人 自分の人生を実況…
明日になれば くだらぬことも いまのぼくにとっては、ひどく つらく思えたりで あなたの中にある清らかな心も たまには ぼくみたいなことを思うでしょうか いま、ここにあるすべては 涙の雨がさらっていった あなたにはもうあえないけれど いつまでも ここで…
いい言葉だなと印象に残る基準として一つ考えられるのが、「逆」なことである。 前にスピッツの「8823」について書いた時も「君を不幸にできるのは宇宙でただ一人だけ」というフレーズの破壊力を紹介した。「普通」なら幸福とか幸せとか書くところを不幸って…
一番にとっていたわたしの席 窓ぎわの左端 あなたを見ていた 頬杖つきながら 風のように時間は過ぎていった あなたから呼ばれることが それだけで、こんなにうれしい なぜかしら ねえ、そんな季節があってもよかったと 今はそう思えるの きらきら 揺れる あ…
こんなに穏やかな時間を あなたと過ごすのは 何年振りでしょうか 落とさぬように抱いた 小さくなったあなたの体 真に分け隔てなく 誰しもが 変わらぬ法則によります 急がずとも必ず 全てが例外なく 図らず図らず 今にも終わります 波が反っては消える 宇多田…
僕は筋金入りの真面目な人間である。 「僕は○○○である」の空欄に迷わず「真面目」の三文字を書き入れるだろう。 大学の講義をサボったことはない。病欠か忌引で休んだ以外は全ての講義に出席している。割と教員の要求していることに対応するのが得意だから、…
テレビ番組は滅多に見ることはない。それでもぼんやり見ている時にノイズが入ってくることがある。最近始まったテレビ番組で、「昭和世代が平成生まれの若者たちに“知っていて当たり前の常識”をクイズにして出題していく、世代を超えて驚きと気付きがある新…
たとえば君が歌ったそのメロディーが 音のシャワーを浴びるように心地がいいから 僕は一つ一つ色をつけてゆきたい いつ見返しても笑えるように 少し早足で歩いた夏を急かすよう ひどく遠回りしながら近道する季節 ほらね一つ二つ足を踏み出しながら 週末の魔…
2019年5月1日を迎える瞬間は、毎日の日付が変わる瞬間と同じものであるはずなのに、何やら日本中が浮足立っていたし、私もその例外ではなかった。平成から令和という時代へ移り変わるその歴史的瞬間を、固唾を飲んで見守っていた。この元号にまつわること…
その二人でしか通じない言葉は、とても素敵だと思う。 誰も理解できないような言葉を交わして、街の隅っこで小さく笑っているような二人はとても良い。これこそがロマンチックだと思う。場所は夜景の映えるレストランでも、どこにでもあるチェーン店でも、公…
平成という時代が終わり、新しい令和という時代を迎えようとしている。元号が変わるだけのことかもしれないが、もちろん人生で初めてのことなのですごくワクワクしてしまう。 平成という時代を振り返るほど平成を生きたわけじゃないのだけど、平成に生まれて…
若い人の死に、耐えられない。 今年はなんだか若い人の訃報に接することが多い気がする。突然、若い天才たちの命が奪われていく。この人が生きていたら、どれだけの名作が世に放たれていただろうかと考えると、やりきれなくなる。 天才は早死にして伝説にな…
前回 シリーズ第一回 前回からかなり間が空いてしまいました。意外と旅行記って書くのが難しくて、モンサンミッシェルについては適当に書けないなと思ってウジウジしていた結果、二ヶ月近く空いてしまいました。もう春休みも終わっちゃったよ。待ってた人は…
新しく出会う人の名前が覚えられない。 いや、正確には顔と名前が一致しない。 名前を覚えるのはむしろ得意で、漢字までしっかり書けたりするから驚かれるのだけど、その名前が誰のものだったのか?これが苦手だ。 名前は、いい。何故かは分からないけどすご…
めまぐるしく過ぎていく春の日に、ぼんやりとのどかに立ちすくんでいた花が涙をこぼす頃に居なくなってしまった人のことを思い出す。 あっという間に散っていく花びらは色々なものに喩えられる。桜がシャワーのように舞っている景色はきっと誰もが好きだと思…
大学3年生になった今、入学当時のことを思い出す。2年前、何もかもが一新された環境におかれた私は、半ばトランス状態に陥っていた。配られるビラの嵐、品もへったくれもない強引な勧誘、すべてが新しく出会う人ばかりで情報量の多いイベントの数々。どこま…
先日、部屋を掃除したときに、本棚に置いてある小さな紙袋の存在を久しぶりに思い出した。その袋の中には、お菓子の箱がいくつか入っている。何の変哲もないお菓子の箱が、宝箱に変わった瞬間のことを思い出した。 高校時代に私が所属していた部活は、誕生月…
「おめでとう、新しい場で沢山の思い出作って」(僕とふたりで) 新しい人がたくさん流れ込む記憶の中に居座る機能 春風がいたずらっぽく君の髪宛に花びら届けてきたので 白抜きの広告みたいに焼き付けた いずれ散りゆく花びらならば 春、にじむ気持ちを歌うチ…
もう、信頼をぶっ壊すことは、しない
「またね」という別れの言葉がある。これから春が芽吹き始める。桃色のじゅうたんの上で、たくさんの「またね」が飛び交うのだろう。 「さよなら」だと寂しすぎるから、また会いたいと強く願うから、親しい人と交わされる、「またね」という約束。 僕たちは…
今日は「卒業」を意識する一日だった。 母校は今日卒業式を迎えたという。私が直接知っている代はもう高校から完全にいなくなるという事実に頭がついていかないが、もうそこまで時間が経っているのだ。 なので卒業アルバムを開いてみたら、高校時代の日々が…
熱海に行って、日本一早く咲くという梅の花を見てきた。河津桜も少し咲いていた。 陽の光が眩しくて画面がよく見えなくてボケているが気にしない。 今年は、なんだか春が少し早めに来たような気がする。嬉しくて仕方がない。 3月はなぜだかインフルエンザ発…
何を書いてあるかじゃなくて誰が書いたかでいつまでも判断している自分の浅ましさをだんだん受け入れられるようになってきた。 旅行記は自分が書きたいタイミングで書けばいいと思った。モンサンミッシェルの魅力を表すのには時間がかかりすぎる。 満点より…
多数決をとりますって言って、皆が目を伏せて挙手するやつ、あったと思う。でも結果を集計する人は、誰がどっちに手を挙げているか分かるわけで、僕は怖かった。自分一人だけが挙げていたらどうしようって怖かった。 学校の夏休みが終わった9月、「運動会の…
前回 シリーズ第一回 1月24日 パリを脱出 凱旋門からルーヴル、エッフェル塔と昨日はパリを網羅して疲れてよく寝た。今日はパリから少し足を伸ばしてヴェルサイユ宮殿に向かう。 またパンが三種類だけ登場する昨日と全く同じ朝ごはんを食べる。昨日はなかっ…
前回 シリーズ第一回 迷宮のルーヴル美術館 スリ集団をタックル気味にかわし、ルーヴル美術館に侵入する入口を探す。これがなかなか見つからない。 少しウロウロしていると、とても有名なルーヴル・ピラミッドが見えてきた。ランドマーク的存在であると同時…
夕方から楽しみな予定しか入っていない日に昼間まで寝て、だらっと過ごしている瞬間の、ゆっくりと流れている幸せをつまみ食いするような感覚が、ずっと続けばいいなと思う。 太陽の光が窓から差し込んできて、空気が粒のように輪郭を持った冬の昼下がりの中…
前回はこちら 1月23日 日本人と邂逅 長時間移動とクソデカスーツケースを抱えた階段の昇降に疲れ切った我々は、二つ星ホテルにてぐっすり眠ってしまった。しかし、時差ボケなのかまだ朝が来ていないのに目覚めた。 窓から見える景色はこんな感じ。異国の地で…