ノートの端っこ、ひこうき雲

ひと夏の思い出、には留まらせたくない。

僕もコーヒーが飲めたい

コーヒーが飲めるってズルいよな。なんでってなんかカッコいいじゃないですか。 例えばカフェに入って優雅に読書をするというわけのわからないことを僕も年に3,4回するわけだけど、そこでコーヒー頼んでみるのね。だけど本当に飲めねえんだわ。コーヒー好き…

今、その痛みは自分だけのもの

夕立が降った後の、街を丸ごと洗った匂いが満ち始める時間。日常の生活においてもそういった時間があるように思う。雨が全てを拭い去り舞い上がった空気の粒が光と輪郭を伴って空の中で大きく弾けるとき、頬には清新な風が吹きつける。まるで街全体に風穴を…

ハッシュタグと共犯者

朝ドラを見ているのだが、流石に伝統ある朝ドラと言うべきか、ツイッター上では番組に対する感想が多く飛び交っていて賛否両論が巻き起こることも多い。毎日少しずつストーリーが進むという放映形式も手伝って、朝ドラはたくさんの人々の日常の中にすっかり…

Slumber

この頃、現実的な夢ばかり見る。現実と夢の区別がつけられなくなってくる。 ヒューマンドラマを見る。昔からファンタジーよりも日常系が好きだったけど、歳をとるにつれてめちゃめちゃリアルな話を現実の自分となぞるのが好きになっていく。こんな愛を捧げら…

夜間移動と実況中継

個人的に考え事をするのに一番最適なタイミングは、深夜の照明が落とされた交通機関の中である。つまり夜行バスや飛行機が一番良い。比較的どこでも寝られる体質の私は、寝ている間に連れて帰ってくれる上に価格が安い夜行バスという移動手段を重宝している…

夏の終わりと31×6

あの雲が何に見えるか喩えてよ、お気の済むまで聞いているから 夕立が変えることなどない未来 奪い去るには足りないわたし 灰色が傷つけてきた雲の下 焦げついた陽と昼の葬列 どうしたって近づくことはない だから巻き込むことしかできないの、風 優しさも悪…

Fantôme

生と死の狭間をたゆたっていくように、境界をぼかしていくグラデーションのような陽射しの夏の日、迎え火のようにゆらゆらと揺れる街燈が墓標のごとく並ぶ午前3時。生き抜いた蝉の残骸が散らばっていて、蜃気楼に近い生命のうねりが押し寄せてくる。 半袖の…

一年が経ちました

このブログを始めて今日で一年が経ちました。正直一年も続けられると思ってなかったです。これからもゆるゆると続けていこうと思うので末永くご愛読いただければと思います!

痛みの分割払い

苦手ではないけど進んでやりたくもないことを重ねていくことは、結構心身を蝕んでいくものだと思う。 特段苦手なわけではないから、どうにかやれちゃう気がするし実際やれてしまうのだ。だけどそれをやっている自分を改めて見つめ直したときに、小さな違和感…

正しさがガラクタになるとき

このブログもおかげさまで一年くらい書いているが、書き始めた頃の記事にこういうものがある。 要約すると「理性が感性の領域へと侵食する危険性」について書いたもので、今読み返してみると初っ端から自分の思想ぶっ飛ばしてるなと思いながら、結局一年経っ…

引退

このような場を設けていただき、ありがとうございます。なかなかこうしてみんなの前で語る場面もないので、僕はHASCのみんなが大好きだということを伝えたいです。 広告とは話がズレるのですが、HASCの人たちは共感力と包容力、そして感受性が豊かな人が多い…

インスタのストーリーを見ている人の真顔写真集を出したい

この文章は電車で書いているが、目の前に座っているおじさまがとても良い。髪の毛をガチガチに固めてサイズがぴったりのシャツを着たダンディーなおじさまが、スマホを見ながらめちゃくちゃ笑っているのがめちゃくちゃ良い。気になって仕方ない。何を見てい…

生きがいと死にがい

「なんとなく死にたくなる」という感覚は、6月や梅雨時期にギラギラしている人以外誰もが経験しているものだと思う。「からあげ食べたいかも!コンビニに寄ろっかなー」くらいの感覚で「ちょっと死んでみようかな」って気持ちを抱くということが描かれた漫画…

あなたみたいになりたかった

自分の人生にストーリーを見出せる人 幸せを不特定多数に撒き散らしても平気でいられる人 大切な人との大切な瞬間を、ずっと野ざらしで保存しておく人 6月にギラギラしている人 自分の成功体験を金に替える人 なるったけ他人に依存できる人 自分の人生を実況…

二人称

明日になれば くだらぬことも いまのぼくにとっては、ひどく つらく思えたりで あなたの中にある清らかな心も たまには ぼくみたいなことを思うでしょうか いま、ここにあるすべては 涙の雨がさらっていった あなたにはもうあえないけれど いつまでも ここで…

君が笑ってくれるなら僕は悪にでもなる

いい言葉だなと印象に残る基準として一つ考えられるのが、「逆」なことである。 前にスピッツの「8823」について書いた時も「君を不幸にできるのは宇宙でただ一人だけ」というフレーズの破壊力を紹介した。「普通」なら幸福とか幸せとか書くところを不幸って…

やり過ごされた31×4

一番にとっていたわたしの席 窓ぎわの左端 あなたを見ていた 頬杖つきながら 風のように時間は過ぎていった あなたから呼ばれることが それだけで、こんなにうれしい なぜかしら ねえ、そんな季節があってもよかったと 今はそう思えるの きらきら 揺れる あ…

例外

こんなに穏やかな時間を あなたと過ごすのは 何年振りでしょうか 落とさぬように抱いた 小さくなったあなたの体 真に分け隔てなく 誰しもが 変わらぬ法則によります 急がずとも必ず 全てが例外なく 図らず図らず 今にも終わります 波が反っては消える 宇多田…

それでも真面目で居続ける5月病患者へ

僕は筋金入りの真面目な人間である。 「僕は○○○である」の空欄に迷わず「真面目」の三文字を書き入れるだろう。 大学の講義をサボったことはない。病欠か忌引で休んだ以外は全ての講義に出席している。割と教員の要求していることに対応するのが得意だから、…

鶏肉が何の肉か分からない人を吊るし上げることについて

テレビ番組は滅多に見ることはない。それでもぼんやり見ている時にノイズが入ってくることがある。最近始まったテレビ番組で、「昭和世代が平成生まれの若者たちに“知っていて当たり前の常識”をクイズにして出題していく、世代を超えて驚きと気付きがある新…

5月の風

たとえば君が歌ったそのメロディーが 音のシャワーを浴びるように心地がいいから 僕は一つ一つ色をつけてゆきたい いつ見返しても笑えるように 少し早足で歩いた夏を急かすよう ひどく遠回りしながら近道する季節 ほらね一つ二つ足を踏み出しながら 週末の魔…

改元に際して

2019年5月1日を迎える瞬間は、毎日の日付が変わる瞬間と同じものであるはずなのに、何やら日本中が浮足立っていたし、私もその例外ではなかった。平成から令和という時代へ移り変わるその歴史的瞬間を、固唾を飲んで見守っていた。この元号にまつわること…

僕たちの秘密のことば重ねてさ、そして二人の辞書を編もうね

その二人でしか通じない言葉は、とても素敵だと思う。 誰も理解できないような言葉を交わして、街の隅っこで小さく笑っているような二人はとても良い。これこそがロマンチックだと思う。場所は夜景の映えるレストランでも、どこにでもあるチェーン店でも、公…

カウンターアイデンティティ

平成という時代が終わり、新しい令和という時代を迎えようとしている。元号が変わるだけのことかもしれないが、もちろん人生で初めてのことなのですごくワクワクしてしまう。 平成という時代を振り返るほど平成を生きたわけじゃないのだけど、平成に生まれて…

横顔がとても素敵だったこと

若い人の死に、耐えられない。 今年はなんだか若い人の訃報に接することが多い気がする。突然、若い天才たちの命が奪われていく。この人が生きていたら、どれだけの名作が世に放たれていただろうかと考えると、やりきれなくなる。 天才は早死にして伝説にな…

フランス・ドイツ周遊旅行記⑤〜モンサンミッシェルとオムレツとシードルと牡蠣〜

前回 シリーズ第一回 前回からかなり間が空いてしまいました。意外と旅行記って書くのが難しくて、モンサンミッシェルについては適当に書けないなと思ってウジウジしていた結果、二ヶ月近く空いてしまいました。もう春休みも終わっちゃったよ。待ってた人は…

名前

新しく出会う人の名前が覚えられない。 いや、正確には顔と名前が一致しない。 名前を覚えるのはむしろ得意で、漢字までしっかり書けたりするから驚かれるのだけど、その名前が誰のものだったのか?これが苦手だ。 名前は、いい。何故かは分からないけどすご…

花びらのために

めまぐるしく過ぎていく春の日に、ぼんやりとのどかに立ちすくんでいた花が涙をこぼす頃に居なくなってしまった人のことを思い出す。 あっという間に散っていく花びらは色々なものに喩えられる。桜がシャワーのように舞っている景色はきっと誰もが好きだと思…

大学という箱庭

大学3年生になった今、入学当時のことを思い出す。2年前、何もかもが一新された環境におかれた私は、半ばトランス状態に陥っていた。配られるビラの嵐、品もへったくれもない強引な勧誘、すべてが新しく出会う人ばかりで情報量の多いイベントの数々。どこま…

先日、部屋を掃除したときに、本棚に置いてある小さな紙袋の存在を久しぶりに思い出した。その袋の中には、お菓子の箱がいくつか入っている。何の変哲もないお菓子の箱が、宝箱に変わった瞬間のことを思い出した。 高校時代に私が所属していた部活は、誕生月…