ノートの端っこ、ひこうき雲

ひと夏の思い出、には留まらせたくない。

5月の風

たとえば君が歌ったそのメロディーが

音のシャワーを浴びるように心地がいいから

僕は一つ一つ色をつけてゆきたい

いつ見返しても笑えるように

 


少し早足で歩いた夏を急かすよう

ひどく遠回りしながら近道する季節

ほらね一つ二つ足を踏み出しながら

週末の魔法ばかり考える

 


陽の当たるリビングルーム

うたたねしながら

思いだしたのは小さな赤い頬ばかり

今日は晴れてるよ、って

小さく微笑んで

隣に舞い込んだ

幼気な5月の風

 


だからさ君がくれたんだその毎日は

何気ない言葉は甘いドーナツとシロップ

僕は一喜一憂バカらしく思えちゃう

早くコーヒー飲んで出かけなきゃ

 


木漏れ日のシャンデリア

スキップしながら

思いだしたのはしなやかな黒い髪ばかり

おかえりなさい、なんて

最高の微笑みで

待っていてくれたらな

抱きしめた5月の風

 


日常のときめきは

切なく楽しいのだ

思いだしたのは桃色の潤いばかり

今日も晴れてるよ、って

小さく微笑んで

隣に舞い込んだ

大好きな5月の風