ノートの端っこ、ひこうき雲

ひと夏の思い出、には留まらせたくない。

2018-11-01から1ヶ月間の記事一覧

ネビュラの空

かなしみが深く深く私の身体を沈めてしまいそうなとき、ただひとつ、私を助けてくれるのは、そんなあなたでいいよ、という無条件の肯定だ。ここにいるだけでいいんだよ、というただひとつの真理を、ずっと口にしてくれることだ。 なにか、信じられる風景や人…

こんにちは

アイデンティティとは外にも内にもあるものではなくて、過去の記憶や未来のイメージにもいない。「わたし」は「わたし」の外にも内にもいないし、「自分探し」をしても「自分」はいない。どこか遠い国の景色の中に自分が転がっているわけではない。徹底して…

ぶっ壊れない夜のために

中途半端な時間に目覚めて、まだ夜明けまで意外に時間があって、明日は休日だからいいか、とそのまま夜を貪るように起きている時間が好きだ。ただ夜更かしをしているときとは違って、もう寝なくてもいいんじゃねーの、みたいな無敵感が心地よくて。 誰に連絡…

ベストアルバムから落選すること

2時間目が始まる廊下で自分の好きな語感の言葉を教えてくれた人は今、華やかな舞台に立っている。3時間目が始まるロッカーの中を少し整理しながら、ロッカーの汚さと部屋の汚さって関係あるのかね、こんな人間性だと思われたくはないものだねと話した人は今…

31×4の夜

ディスプレイ映る時計のゾロ目とか わたしと同じイニシャルだとか 深夜には爆発させる絶対に だからひとまずなにか食べよう とりあえず 明日の朝は来ないから わたしが止めてみせるから、ほら ぽろぽろとこぼれる白に 「ああ、なんだ」ととぼけた顔で 今日も…

くちぐせ

彼は、伏し目がちに喋る人だった。 口数は少なくても、言葉をひとつひとつ大切に選んでいることが分かるから、安心して話を聞いていることが出来る。 きっと、彼は少しだけ生きるのに不器用なだけだったのだ。 よく晴れた日、向こうのビルや街路樹の輪郭がス…

「君を不幸にできるのは宇宙でただ一人だけ」と歌っちゃうスピッツ『8823』

こんな歌詞を書ける人、地球上のどこを探しても草野マサムネしかいないと思う。 スピッツ『8823』の二番のサビに突然ぶち込まれるこのフレーズ。 「君を不幸にできるのは宇宙でただ一人だけ」 曲がりなりにも趣味で作詞をやっている私ならおそらく、「君を幸…

好き嫌いくらい一人でやりたい

「好き」を貫いている人は、なんだか格好いい。 私がなんだか憧れてしまう人は、自分が好きだと思うものを、周りにどう思われるかなんて気にせずに貫き通している。自分が好きなものに相手の評価なんて関係ないだろい、って背筋を伸ばしながら「好き」を守り…

朝日の香り

よく陽射しが差し込んだ清々しい朝、無駄に意識の高かった昨夜の僕がセットしたアラームが部屋中に鳴る。鼓膜に「夢ならばどれほど良かったでしょう」というフレーズが流れ込んでくる。なぜ米津玄師の「Lemon」を目覚ましソングに選定したのか、昨夜の僕は気…

空白の日記

すごいな、私には絶対にこの人のようになれないと思うタイプの人がいる。何かを毎日続けることのできる人である。 毎日きちんと日記を書いている人はすごい。私も曲がりなりにも文章好きを自覚しているものだから、言語化をサボらないように毎日少しでも何か…