ノートの端っこ、ひこうき雲

ひと夏の思い出、には留まらせたくない。

ネビュラの空

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かなしみが深く深く私の身体を沈めてしまいそうなとき、ただひとつ、私を助けてくれるのは、そんなあなたでいいよ、という無条件の肯定だ。ここにいるだけでいいんだよ、というただひとつの真理を、ずっと口にしてくれることだ。

なにか、信じられる風景や人が心の中に宿っているとき、たとえその名前を思い出せなくなったとしても、私のことをずっと守ってくれる。

自分が生きていた証を残したいからという理由で子どもを作るという人がいる。その意味は、子どもには無条件の肯定を与え続けられるからだ。

冬に生まれた私をずっと肯定してくれていた人の一人は、もうこの世界にはいない。でもきっと、冬の朝の透明感のうちに、あなたの生きた証がたゆたっている。ゆらゆらと、ぼんやりと、光っている。