ノートの端っこ、ひこうき雲

ひと夏の思い出、には留まらせたくない。

重力と花びら

矢印の根元を〈過去〉とみなしますそういうノリで人を見てます

改行のたびに呼吸がしづらくて文字にも重力があるんだな

正しさは怒りと同化 透過する自意識たちがどうかしていた

ゆらゆらと燻る善が食い尽くし滅んでいった寓話のさわり

夏花火の度に探すチャッカマンがめっちゃ降りかかってきたよ春

感情で動いた人を真上から眺める感情を嫌う感情

「家計支持者死亡」に丸つけるときのクルクルのように増えていく数

あのときがたまたま林檎だっただけ 舞う花びらにニュートンが言う

渋谷駅見てればわかると思ってる視線の裏で息絶える人

カチカチと鳴るシャーペンが人を刺す 価値価値価値価値積み重ねろ価値

いいひとのお墓の上にはたくさんの花が積もるよ積もると言えよ