ノートの端っこ、ひこうき雲

ひと夏の思い出、には留まらせたくない。

ソーダ水槽と秋の夜

どしゃ降りの雨に打たれているとき、すごくちっぽけな世界が、途方もないくらい大きな世界に繋がっていることに、気がつくことがある。

 

守り抜いてきた小さな自分の世界が不意に壊され、耳をつんざくような雷鳴と身を凍えさすような寒風が、自分の心の隙間をこじ開けてくるようなときがある。

 

小さなたいせつな世界が大きな世界に飲み込まれそうなとき、「きっと自分は少数派なんだろう」そう思ったとき、なんだか、世界のどこにも自分の味方はいないような気がしてくる。そんな秋の夜にたくさんの言葉をくれた人に、少しでも何かを返したい。

 

何かをがんばっている人、疲れた人、自分が今やっていることが何に繋がっているのか分からなくなっている人、きっと人によって夜は違う。明けない夜もあるのかもしれない。

 

恐れ多いけど、たいせつな人のいろいろな葛藤を見てきて、がんばるあなたを見てきたから、わたしがなにか力になれれば、と思っている。

もう十分に大きい空のことを知って、新しい朝に怯えて、社会はそんなに優しくないって知ってしまった。自分が立っている地面に生えている数多の墓標から目を背けられなくなった。

 

特別じゃなくていい。ならなくていい。あなたのまま、普通のままでいることがどれだけみんなの力になっているか、何度でも伝えていきたい。

 

あのときくれた大切な言葉を抱いて今日も眠る。ありがとう、あたたかくしていますように。