ノートの端っこ、ひこうき雲

ひと夏の思い出、には留まらせたくない。

青春18きっぷ2018夏 東北絶景の旅② 〜熱海、再来〜

f:id:SouthernWine29:20180903231009j:image

青春18きっぷで東北の絶景を巡る旅 パート2。

前回の内容はこちら。 

 

前回のあらすじ

乃木坂ファンが大量に押し寄せて遅刻しそう。

以上。

 

命運はいかに…?

結論から言うと、

 

f:id:SouthernWine29:20180903195140j:image

 

間に合わなかった。

 

現在11:50。郡山までは辿り着いたものの、11:39発の会津若松行の電車は無情にも時間通り出発し、次の電車は12:52。これにより電車の接続が上手くいかなくなり、最終目的地の早戸には4時間遅れで到着することが確定。予想していた通りの悲劇である。

 

実は早戸では川の上を渡る渡し舟に乗る予定であった。15:00からの予約をしていたのだが、早戸駅に到着するのが18:30となったため、流石にキャンセルせざるを得ない。ちくしょう。今日のメインイベントが早速狂わされた。

 

渡し舟を出してくれる予定だった会社に早速連絡。なかなか電話が繋がらない。10分くらいかけ続けたらようやく出てくれた。

「は↑い、もしもし?」

なかなか訛りの強いおじさんが登場。集合場所に4時間遅刻するのが確定したというギャグみたいな連絡をする。

 

「あーその頃は日が暮れちゃってるね。じゃあキャンセルってことで」

「そうですね、申し訳ないです」

「ところで今日は何?醤油で泊まるつもりだったの?」

 

???

 

向こうの独特のイントネーションと僕の難聴が協奏して全く聞き取れなかった。絶対に聞き間違えていることは分かっているので、何度か聞き直した。

どうやら渡し舟の近くの宿「つるの湯」で泊まるつもりかどうかを聞いていたらしい。つるの湯→醤油。僕にしては健全な難聴だった。

ホテルは会津若松で取っていたため、そうではないですと答えた。

 

「そうですか、こちらは大丈夫なのでね。ご苦労様です」

優しいおじさんであった。渡し舟を漕いでいるようにゆっくりとした方でした。本当にご迷惑をおかけしてすみません。

 

渡し舟は無くなったが早戸駅には絶対に行きたいため、計画を練り直す。

 

郡山を散策

どうせ会津若松から早戸に行く次の電車は16:57発なので会津若松に急いで行く必要もなくなり、せっかくなので郡山を散策することにした。

 

青春18きっぷを駅員さんに見せて改札から出ると、駅前でアカペラをしているっぽい声が聞こえた。この声を聞きながら郡山駅前のランチを食べログで探す。予定が崩れてプリプリしていたが腹を満たせば俺の機嫌も回復するだろう。良い感じの店を見つけたので早速歩いて向かう。

f:id:SouthernWine29:20180903203911j:image

郡山駅前はアーケードになっていた。まだ午前中なので人もまばら。夜に動き出しそうな街並みであった。

あっという間にお店に到着。「向山製作所郡山 表参道カフェ」という場所である。

f:id:SouthernWine29:20180903205124j:image

こういう手書き黒板が店前に出ているの好き。早速中に入る。

f:id:SouthernWine29:20180903205212j:image

中は思ったより広く、家族連れやカップル、老夫婦などで賑わっていた。かなりオシャレな内装で早くも期待が高まる。

料理はメニューの一番上に書いてあった「焼きスパゲッティ the 海の家」を注文。

鉄板で焼いたシーフードと茹で上げたパスタをそのまま盛り込んだ豪快な一皿とメニューには書いてあった。その説明の通り、料理が運ばれた時のインパクトが強かった。

f:id:SouthernWine29:20180903220650j:image

おいしそう。

「鉄板はかなりお熱くなっておりますのでご注意ください。ナイフで食べやすいサイズにカットし、お好みでこちらの塩レモンソースをおかけください」と、ナオト・インティライミ似のお兄さんが説明してくれた。見た目だけじゃなく絶対その場にいない人の悪口言わなそうな雰囲気までもが似てた。

早速いただきます。

塩レモンソースがパスタとシーフードの旨味をさりげなく引き立てくれる。抜群に美味しい。

さらに嬉しいことにドリンクがおかわり自由。これにスープとサラダで980円は安い。他にもスープご飯やハンバーグ、ハヤシライス、パエリアなどもあるようなのでまた来たいお店であった。

 

美味しいランチを食べて完全に機嫌は回復。ブラブラと歩いていると鳥居を発見。

f:id:SouthernWine29:20180903221336j:image

安積国造神社(あさかくにつこじんじゃ)

ご創建は、第13代成務天皇の御代。勅命により、比止禰命(ひとねのみこと)が安積国造(あさかのくにのみやつこ)に任ぜられ、当時未開の地であったこの地を開き、治めました。社稷(しゃしょく)の神として、安積国造神社がお祭りされ、それ以来、祭祀が継承され今に至ります。

引用元:安積国造神社について

家内安全、商売繁盛などのご利益があるよう。毎年9月27〜29日に郡山市で行われる例大祭では、郡山駅周辺を山車や神輿が練り歩く、秋の風物詩となっているらしい。

f:id:SouthernWine29:20180903222522j:image

境内はとても静かで雨が降っていることもあり、神秘的な空間に包まれた。時間がこの場所ではゆっくりと過ぎていくような気がする。

 

そろそろ一時間に一本の会津若松行の電車が来るようなので郡山駅に戻る。

f:id:SouthernWine29:20180903222647j:image

歩道橋の近くに何とも言えないオブジェが鎮座していた。深夜これと対峙したらちょっとこわい。

 

郡山駅では大学生によるアカペラが引き続き行われており、米津玄師の「LOSER」や「It Don't Mean a Thing」を歌っていた。アカペラバージョン結構好き。アカペラのベースやパーカッションの音は僕には絶対に出せないので毎回感動が止まらない。休日課長似のベースの人がとても良い声をしていた。

 

福島の熱海

会津若松行の電車に乗ったがこのまま会津若松に行ってもだいぶ時間が余るため、適当に途中下車をしようと決めていた。

そこで飛び込んできたアナウンス「次は磐梯熱海(ばんだいあたみ)」。駅名から惹かれる。なんたって熱海は2018春の旅で唯一途中下車した駅。降りないわけにはいかない。

f:id:SouthernWine29:20180903225409j:image

福島の熱海、磐梯熱海に上陸。

約800年前、この地の領主となった源頼朝の家臣、伊藤祐長の出身地である伊豆の熱海温泉に由来するらしい。本当にあの熱海じゃん。

f:id:SouthernWine29:20180903224818j:image

温泉街らしく、駅前には足湯があった。旅の途中で疲れた脚を癒す、素晴らしい。足湯に入りながらぼーっと音楽を聴くひとときは最高。郡山で電車を逃したおかげでこんなにゆっくりと過ごせていると思うと結果オーライだと思えてきた。

 

足湯に浸かった後、駅のすぐ近くにある「ゆけむり緑地公園」を散策。

f:id:SouthernWine29:20180903225902j:image

f:id:SouthernWine29:20180903225905j:image

雨音が旅情を掻き立て、雄大な緑色と雨の匂い、そして涼しい風が夏の終わりを意識させる。駅から徒歩1分でこのような景色が広がっているのがローカル線の魅力。

 

f:id:SouthernWine29:20180903230158j:image

雨が波紋をたてている。


f:id:SouthernWine29:20180903230155j:image
f:id:SouthernWine29:20180903230153j:image

僕の大好きな自然と人工物の共演パート2。

 

ふと思いつきで降りた駅だったが、想像以上に満足度の高い場所だった。おすすめである。

こういう出会いがあると、青春18きっぷでゆっくり移動した甲斐があるというものだ。もはや「ありがとう乃木坂46」と心から言いたい。

 

電車が来たのでいよいよ会津若松に向かう。何故かやたらと電車の揺れが心地よく、不覚にも眠りについてしまった。

目覚めた時に車窓から見えた風景に僕は圧倒される。

f:id:SouthernWine29:20180903230558j:image

現在16:00。広がる緑とついに顔を出した太陽。いよいよ絶景の旅の本領発揮といったところだ。

 

さあ、次回はついに今日のメインイベント、JR只見線に乗車。鉄道ファンからも人気の高い絶景が広がるローカル線に青春18きっぷで乗り込むことになる。

 

では、③に続きます。